メディカルイラストの制作過程OPINION
2022/04/12

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こんにちは!私、日本でメディカルイラストレーターとして活動しております、株式会社LAIMANのライアン杏莉です。

ここでは、メディカルイラストレーションという職業について私見も交えながらお話ししていこうと思います。

前回はメディカルイラストレーションの様々な専門分野についてお話しいたしました。

今回は、お客様が制作を発注された際に、制作の現場では何が起きているのか、少し裏側をお見せしたいと思います。

弊社HPにもあるこちらのプロセス表にもあるように、お客様の視点からですとこのような段階が踏まれています。では、制作チームはステップ毎で、どういった作業をしているのでしょうか?

 

1. 見積依頼・お問い合わせ

お問い合わせは弊社お問い合わせフォームだけでなく、ご紹介やお電話など多方面からいただくので、管理漏れがないように社内システムで一箇所に記録します。直接お会いしたり、オンライン会議を通してお客様のご要望をヒアリングすることもあります。こういった際にお見せする弊社の過去作品例も用意したり、予めお客様の医療領域について予習したり、といった作業もこちらの工程に含まれます。

 

2. 見積送付・確認

お問い合わせやヒアリングの内容を元に、弊社のスキル、スケジュールでご対応か可能か、そして、誰が制作を担当するかを打ち合わせをします。複数名の制作担当が共同制作する場合もあります。それに加え、イラストの点数、ご希望のタッチ、内容の明確さや難易度、論文の投稿先や使用範囲を考慮してライセンスを決定など、さまざまな要素を考慮して、お見積を提出します。こちらの時点では、あくまで見積もりですで、ご予算オーバーの場合はご相談いただければ、作業工程の工夫や、点数を減らしてわかりやすく見せる提案もいたします。

 

3. 発注

お見積をご確認いただいた後、お客様から正式な「発注」のご依頼をいただきます。
その後、制作内容ごとの契約書を締結して制作を開始します。

 

4.リサーチ・ラフ制作・確認

さて、ここが制作の味噌です。お客様からの視点だと、下絵を制作するよりも、きれいに仕上げる作業の方が大変に見えるかもしれないのですが、実は逆なのです!ラフ案*制作は、限られた作業時間で現実的な範囲かつ、効果的なイラストの構図を練る、高度なスキルを要する作業です。また、こちらのラフスケッチの段階では、お客様のご要望が不明確な場合は、こちらでイメージの土台を決定する必要がありますので、イラストの構図を数パターンご用意する場合もあります。

 

また、この工程はメディカルイラストレーションでは特に重要です。なぜかというと、医学的、解剖学的な知見からイラストを正確に描写できるように、リサーチをするからです。医学的に不正確、または曖昧な描写をしてしまう事はメディカルイラストレーションの業界の信用に関わります。また、弊社は論文や医学書が大好きなオタク集団です。最先端の研究や開発に携わっておられるお客様とスムーズにコミュニケーションが取れるように、専門用語や手術手技の手順を、調べます。ある程度リサーチした上で詳細のヒアリングに臨みます 。お客様からご送付いただいた資料はもちろん、書籍や論文を参考に、理系のバックグラウンドも活用しつつ深く本質的に理解をする事が大切です。信用できる情報源から制作者の理解を深めていきます。このリサーチの工程が、我々の強みであると誇っております。

 

ラフ案をお客様にご確認いただいたあと、変更のご要望がある際は修正し、イラストの構図はこの時点で決定します。

 

5.本制作

決定した構図を元に線を整え、タッチによっては陰影やテクスチャーを整えて立体感をつけ、見栄えの良い作品にします。お客様の視点ですと、この段階でイラストが最終的なイメージ近い状態でアウトプットされるかと思います。

 

6. 仕上げ・確認

制作した作品をお客様のご要望や投稿先の規定に従って適切なファイル形式、サイズにてご用意し、最終的なOKをお客様からいただきます。

 

7. 納品

データをお客様に送付し、案件は一段落です。
イラストを使用した論文が公開された場合にはPDFなどを送っていただいたり、
書籍であればご献本をお願いしており、イラストの使用状況を確認して今後の制作に役立てています。

 

もちろん、お客様のご要望や納期、ご予算、プロジェクトの内容によって制作の内容は大きく変わります。

 

また、3DCGやVR、デザインコンサルタントなどの業務も工程が多様ですので、今回は典型の一例としてご参考いただければ幸いです。

 

さて、今回詳細させていただいた「メディカルイラストの制作工程」参考になりましたでしょうか?簡単そうに見える手順も実際の制作現場では意外と手が掛かる事があったり、稀ですが逆も然りです。発注を検討されているお客様に、「私が発注したらLAIMANはどう動いているのだろう?」と気になった方にとって参考になれば幸いです。

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